2012年10月27日土曜日

料理教室のようす

料理教室では、講師が有佐さんだったのもあったのか、普段料理をしない男の人たちが興味本位に参加してくれた。普段から料理をする奥さま方も参加していたので、男性陣を指導したりして賑やかなムードとなった。

順を追って有佐さんがアナウンスをしていてが、レシピをみんなに配布していたのもあって、それを説明書かのように、参加者は有佐さんの話を聞かずに並べられた食材を次々に切ろうとして、なぜか段取りがせっせと進行されていく。何か段取りがまずかったのかなあ、と不安もよぎったけど、公民館の人に聞いてみれば、料理教室ってこういう流れによくなっちゃうみたいで、今回のところはまあいっか、とそのまま進める。

それでも、「梨のシチューと茸と野菜の温サラダ」と書かれたそれぞれのレシピを読んでもわかることはわかるけど、「人参はシチューには使わないの?シチューなのに調味料は塩とコショウだけ?」と参加者みんな自分の知ってるメニューのはずなのに、そうじゃないレシピが書かれていることに、どんどん不安になってきている様子だった。「行く先のわからない電車に乗ってる気分だ」とわくわくと不安で表情がバラバラしてる人もいた。これがおいしい料理になるのかはわからないけれど、とにかく有佐さんの言われるとおりにやってみよう。という感じで真面目に料理する。茸と野菜の温サラダも、オリーブオイルと水を合わせたものに人参、ブロッコリーなどを蒸していき、仕上げに砕いた粒のコショウを混ぜるものなんだけど、女性陣がこんなコショウがあるんだねえ、と「なるほどなるほど」と感心する。80歳のおかあさんも、これがどんな味になるんだろうとびっくりしていたり。

結局、料理の工程を全部を教えるというよりは、レシピどおりにみんなで料理を作ることができ、有佐さんも一安心。参加者の味見は途中の段階のみで、いい香りが家庭科室に漂い、みんなお腹を減らしていた。テーブルに料理を並べて、達成感いっぱいでみんなで食した。
食してすぐは、「ん?なんだから不思議な味だなあ」「ありだね」と 一口二口食べる。その後、有佐さんが「こっちだとホワイトシチューとかビーフシチューとかがイメージにありますが、シチューっていうのは煮込み料理っていう意味なんですよ。温サラダに関しても、野菜本来の味ってのがもともとあるので、ドレッシングをかけるメニューもあるけど、塩とコショウだけで十分だと思うんです。」という説明したら、参加者のみんなは「その話を聞くとさらにおいしく思えてきた」と口々に言ってもぐもぐ食べた。その後、梨って煮込むとおいしいんだね、とか、蒸した人参嫌いだったけど、これなら食べれる、とか、野菜本来の味で十分だね、とか食べながら感想を述べ合った。

80歳のおかあさんも、小さなお子さんも残さずキレイに食べ終えて、アートの話に突入しました。有佐さんの小学校、中学校、高校で経験したことからいまも持っている価値観や アーティストになろうと思ったきっかけの話をしながら、自分の作品をつくることで大事にしていることを、少しずつみんなに語りかけます。初めは哲学的だったのもあって、難しい顔をして聞いていたけれど、この料理教室の一連の流れをふりかえると、有佐さんの言ってることがわかってきたりして、すこしずつアートに対する溝がなくなりつつある気がした。

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